静かなオフィス街の珈琲専門店。
マスターが淹れるコーヒーと
懐かしい味のトーストが名物。

オフィスビルが建ち並ぶ街は静かで、道行く人も急ぎ足。そんな通りの一角に、レンガ造りの喫茶店がある。木製のドアを開けると、ヨーロッパ風の重厚なインテリアが目に入る。岩のような壁に囲まれた店内は、洞窟のようでもある。ここに初めて訪れた人は、別世界に足を踏み入れた気分になるかもしれない。

昭和の時代から変わらない
オフィス街にある洞窟のような喫茶店。

MUC内平野店には、のんびりとした口調のマスターがいる。「開店したのは、昭和50年…45年やったかなぁ。だいたい40年ぐらい営業してると思います」。昭和45年といえば、日本万国博覧会が開かれた年。大阪が一番元気だった時代かもしれない。それから約半世紀が経ち、街の景観はずいぶん変わった。でも、店内の景色は変わらない。重厚な木製のカウンターも、オレンジ色のランプも、当時のままだ。

対応の速さが決め手。
トースターは2台ともアラジン製。

ここのフードメニューといえばトースト。シンプルなトーストも手軽で良いし、シナモントーストはコーヒーにぴったり。チーズトーストやジャムトーストもある。朝や昼は注文が重なることが多いので、トースター2台体制で調理をする。中世ヨーロッパをイメージした内装にしっくり馴染んでいるグリーンのグラファイトトースターだが、実は購入したのはつい最近。2年前のことだった。「テレビで見たのがきっかけで買いました。CMだったか番組だったか、具体的な内容は忘れてしまったけど」。気軽な気持ちで1台入手して、他のメーカーのトースターと一緒に使い始めた。「温度も時間も調節しやすくて使い勝手が良い。何より、火がつくのが速いのが良いですね。一度、つまみが取れてしまったことがあるんですが、修理をお願いしたらすぐに対応してくれて」。商品もアフターサービスも申し分なし。そこで、2台ともグラファイトトースターで揃えることにした。「4枚焼けるトースターもありますよね。『グラファイト グリル&トースター』、これも気になってます。使ってみたいですね」。

初めて来た人も、数年来の常連客も
一人で静かに過ごせるスポット。

オフィス街にある喫茶店だけに、訪れる人はビジネスマンが多い。そして、ほとんどが常連客。名前や勤め先は知らなくても、何年も前から顔馴染みの人もいる。「これからも、できるだけ長く営業を続けられたらいいですね」。まるで他人事のようにそう言って、マスターは笑う。カウンターの前で黙ってコーヒーを飲む人たちは、マスター以上にそれを願っているに違いない。

Q. あなたにとってのアラジンとは?

Answer:
EPISODE 10 | 珈琲専門店MUC さん

ベテランのマスターがコーヒーを淹れる珈琲専門店MUCの内平野店さん。ブレンドのほか、モカやキリマンジャロなどのストレートコーヒーも注文できる。ドリンク代+70円のリーズナブルなモーニングも人気。

ページトップへ